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福本 雅弘; 西川 義朗*
JNC TN8400 2001-017, 355 Pages, 2001/03
TRU廃棄物処分研究における廃棄体中に含有される有機物の処分場の性能への影響評価の一環として、以下の7有機物について有機物の変質機構の中で重要と考えられるアルカリ加水分解の試験を行った。90C、91dまでのアルカリ加水分解試験の結果、各有機物が低分子量化し、有機物由来の分解物や変成物と推定される成分を溶液中に検出することができた。処分という長期間を考えた場合、各有機物は、今回確認したような分解生成物になると考えられる。確認した分解生成物を以下の各有機物の後に付記した。そのため、これら分解生成物についての放射性核種移行に与える影響評価が今後重要となる。(1)ナフタレンスルホン酸とリグニンスホン酸の混合系セメント用減水剤(ナフタレンジスルホン酸など)、(2)ポリカルボン酸系セメント用減水剤(末端メトキシポリエチレングリコールのオリゴマー)、(3)エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム二水塩(EDTA)(EDTAから酢酸が脱離・環化した変成物)、(4)りん酸トリブチル(TBP)(DBP、n-ブタノール)、(5)ポリ酢酸ビニル(酢酸)、(6)ナイロン66(アジピン酸、ヘキサメチレンジアミン)、(7)硬化したエポキシ樹脂(グリセロールポリグリシジルエーテル、カルボン酸)
Choppin, G. R.*; Bronikowski, M.*; Chen, J.*; Byegard, J.*; Rai, D.*; 油井 三和
JNC TN8400 99-012, 155 Pages, 1999/01
本研究では、地層処分システム性能評価のための熱力学データベースJNC-TDB(旧PNC-TDB)整備の一環として、V価およびVI価のアクチニド化学種(AnO and AnO)に関する熱力学データ整備を行った。本研究では、これらの元素に対して、水酸化物錯体の他、塩化物、フッ化物、炭酸、硝酸、硫酸及びリン酸を含む錯体もしくは化合物に関する熱力学データ整備を行った。Born equationによる安定度定数(log)の推定、Pitzer parameterの検討、酸化還元反応の電位および平衡定数の検討も併せて行った。
Lothenbach, B.*; Ochs, M.*; Wanner, H.*; 油井 三和
JNC TN8400 99-011, 340 Pages, 1999/01
本報告書では、地層処分システム性能評価のための熱力学データベースJNC-TDB(旧PNC-TDB)整備の一環として実施した、パラジウム(Pd)、鉛(Pb)、スズ(Sn)、アンチモン(Sb)、ニオブ(Nb)およびビスマス(Bi)の6元素に関する熱力学データ整備について報告する。これらの元素に対して、水酸化物錯体の他、塩化物、フッ化物、炭酸、硝酸、硫酸及びリン酸を含む錯体もしくは化合物の生成に焦点を当ててデータ整備を行った。また、鉛およびアンチモンに対しては硫化物錯体、パラジウムに対してはアンモニウム錯体についてもデータ整備を行った。本データ整備においては、SIT(specificioninteractiontheory)アプローチを用いて、25C、イオン強度0におけるこれらの錯体もしくは化合物の生成定数を整備した。
Rai, D.*; Rao, L.*; Weger, H. T.*; GREGORY R.CHOPPI*; 油井 三和
JNC TN8400 99-010, 95 Pages, 1999/01
本研究では、地層処分システム性能評価のための熱力学データベースJNC-TDB(旧PNC-TDB)整備の一環で、111価のアクチニドPu(III)、Am(III)およびCm(III)に関する熱力学データ整備を行った。本研究では、これらの元素に対して、水酸化物、塩化物、フッ化物、炭酸、硝酸、硫酸およびリン酸を含む錯体もしくは化合物に関する熱力学データ整備を行った。また、個別の元素に対して信頼できるデータがない湯合、アクチニド111価間での化学的類似性を考慮したデータ選定を行っている。本研究では主にPitzerイオン相互作用モデルを用いて、25度C、イオン強度0におけるこれらの錯体および化合物の熱力学定数を整備した。
平田 勝; 関根 理香*; 尾上 順*; 中松 博英*; 向山 毅*; 武内 一夫*; 館盛 勝一
Journal of Alloys and Compounds, 271-273, p.128 - 132, 1998/00
被引用回数:8 パーセンタイル:52.58(Chemistry, Physical)相対論DV-DS分子軌道法を用いて、硝酸アクチニル-トリエチルりん酸錯体(AnO(NO)-2TEP,An=UNp,Pu)の電子状態を調べた。有機りん酸系抽出剤を用いた6価硝酸アクチニルの抽出分配比はUNpPu順に減少する傾向を示す。この傾向を電子論的に理解するために、アクチノイド原子と抽出剤の酸素原子(ドナー原子)間の化学結合状態を解析した結果、結合電子数の減少と抽出分配比の減少に相関関係が認められた。錯体の安定性に与える5f電子の局在化傾向や、電子密度分布、結合電子数分布等から抽出系を理論的に取り扱うための基礎的な知見を得ることができた。
和田 幸男; 佛坂 裕泰*; 佐々木 聡; 冨安 博*
PNC TY8607 97-002, 158 Pages, 1997/05
本報告書は、平成4年から東京工業大学原子炉工学研究所の富安研究室と動燃事業団先端技術開発室とで継続的に進めている、光化学研究に関する平成8年度共同研究成果報告書である。本年度は昨年度に引き続き、アクチノイドおよびランタノイド元素の光化学分離および光励起量子効果利用に関する基礎研究を分担して行った。その結果、3M硝酸溶液中のPuおよびNpを光化学的に原子価調整し、TBP溶媒中に共抽出した後、選択的にNpだけを再び同じ3M硝酸溶液中に戻す、光化学逆抽出技術の原理実証に成功した。また、アクチノイドおよびランタニノイド元素の光化学的分離手段として可能性のある、これらの元素の大環状配位子錯体を用いた光励起一反応挙動実験を行った。その結果、多種類のLn3+を含む水溶液中の特定のLn3+錯体に固有な光吸収波長の光を照射することにより、そのLn3+を選択的に分離することが可能であると結論された。また、Cm3+の模擬物質として用いたEu3+に関する知見では、Eu3+と同程度の励起寿命と遥かに大きなモル吸光係数を持つCm3+に対しても適用可能であると推定された。
城 昭典*
PNC TJ6614 97-001, 30 Pages, 1997/03
前年度動燃事業団人形峠事業所において、本研究で提案したプロセスで製造されたイエローケーキ中に基準値以上のチタンが混入してくることが確認されたので、本年度はチタン混入の原因究明とその改善対策を最重要目標として研究を進めた。その結果、チタン(IV)はウラン(VI)より強くメチレンホスホン酸型樹脂(RCSP)に吸着されることが明らかになった。また、RCSPに吸着されたチタン(IV)は、溶離率が30-45%程度と低いものの、ウラン(VI)と同様に炭酸ナトリウムにより溶離されることもわかった。これらの結果により、チタン(IV)とウラン(VI)の性質は類似しており、必然的にチタンがウランに混入してくることがわかった。このためチタン(IV)とウラン(VI)の分別溶離法の開発が必要不可欠であると考え、チタン(IV)が過酸化水素-EDTAと安定な三元錯体を形成することに着目して、過酸化水素-EDTA溶液によるチタン(IV)の溶離を検討し、吸着されたチタン(IV)がほぼ定量的に溶離可能であることを認めた。つぎに、ウラン(VI)とチタン(IV)の分別溶離について検討した。チタン(IV)とウラン(VI)を負荷したRCSPカラムに、酢酸ナトリウム、過酸化水素-EDTA、炭酸ナトリウム、水、塩酸の順に通液した結果、チタン(IV)は過酸化水素-EDTAにより、ウラン(IV)は炭酸ナトリウムにより選択的に溶離され、チタン(IV)とウラン(VI)が分別溶離できることがわかった。ただし、チタン(IV)とウラン(VI)の混合系では各金属の溶離率が減少した。
磯部 博志; 中嶋 悟*
月刊地球, 18(4), p.262 - 268, 1996/00
顕微鏡、回折格子型分光器とCCDカメラを組み合わせて、岩石薄片試料などの透過、反射、蛍光などの可視分光スペクトルを測定可能な顕微可視分光計を開発した。焦点位置に組み込んだ絞りによって、直径数m程度までの測定領域を、試料上の位置を正確に確認しながら短時間で測定可能である。これにより、ウラン鉱物などの吸収、反射、蛍光スペクトルの精密測定が可能となった。ウラニルの酸化物、けい酸塩、りん酸塩鉱物による違いや、陽イオン種による特徴が吸収スペクトルに現れている。蛍光では、極低温での微細構造が測定可能であり、ウラン鉱物の進化過程の定量的理解に役立つ可能性を持っている。
富樫 昭夫; 岡本 文敏; 菅沼 隆; 市毛 良明
PNC TN8410 94-254, 158 Pages, 1994/06
Purex法再処理プロセスにおいて使用するTBP・ドデカンは、放射線や酸の存在下において相乗効果的に劣化する。プロセス・分析開発室では、溶媒の劣化によるプロセスへの影響を予測評価するための基礎データを整備することを目的として、溶媒劣化に関する基礎的な研究を進めている。今回、その一環として、(1)溶媒劣化物分析法の確立試験、(2)新規TBP劣化物の同定試験、(3)溶媒の劣化に与える酸、放射線等複数因子による影響把握試験、(4)劣化溶媒のウラン抽出特性の把握試験、(5)酸、放射線等の共存下における劣化物の生成速度評価試験、(6)アルカリ等によるTBP劣化物の洗浄試験を実施した。得られた成果を以下に示す。(1)TBPの劣化物として新たにりん酸ジブチル2オキソブチル、りん酸ジブチル3ヒドロキシブル、りん酸ジブチル2ニトロオキシブチル、りん酸ジブチル3ニトロオキシブチルの4物質を同定した。(2)ガスクロマトグラフィによる溶媒劣化物の分析法を確立した。本法におけるTBP劣化物4種の定量下限は約2ppmであった。また、再現精度(C.V)は、試料中にTBP劣化物が約2000ppm含まれる場合、約5%であった。(3)新たに同定した4種のTBP劣化物は、硝酸のみの存在下では生成せず、放射線の存在下で生成すること、また、共存する金属イオン、還元剤等の種類によって生成量が異なることを明らかにした。なお、照射線量と劣化物の生成量には相関関係が成立することから、共存する物質及びその濃度が決定されれば、その生成量から溶媒の照射履歴を推定することが可能である。(4)高濃度硝酸を接触させ、2105Gyの線を照射した劣化溶媒においてもウランの抽出性能には影響はないが、逆抽出性能が低下した。また、未照射でも溶媒中に硝酸が装荷されることによりウランの逆抽出性能が低下することが分かった。さらに、溶媒の劣化は硝酸などの接触による化学的な劣化よりも放射線劣化が支配的であることが分かった。(5)新たに見出したTBP劣化物4種の生成速度は、照射線量、硝酸濃度及び共存物質によって異なるが、およそ050ppm/hであった。特に硝酸装荷濃度による影響は顕著であり、硝酸装荷量の違いにより510倍の生成速度変化が生じることが分かった。(6)新たに見出したTBP劣化物4種のうち、りん酸ジブチル2オキソブチルは水酸化
藤田 秀人; 村山 保美; 日野田 正博; 芳中 一行
PNC TN8410 92-234, 26 Pages, 1992/09
再処理施設から発生する低放射性廃液及び廃溶媒は,それぞれ,アスファルト固化処理,プラスチック固化処理され,貯蔵施設に貯蔵保管されている。貯蔵保管中のこれらの固化体及び固化体パッケージの健全性を確認するため,固化体の硬度,圧縮強度,針入度,含水率等の基本物性及び固化体パッケージの外観観察,材厚測定を実施し固化処理時と貯蔵後の物性等を比較評価することにより変化のないことを確認した。
芝原 鉄朗; 権田 浩三
PNC TN841 80-03, 35 Pages, 1980/01
Purexプロセスにおけるジルコニウムの抽出器内濃度プロフィルを正しくシミュレーションし,プロセスでのジルコニウムの除染係数を正しく予想することは,プロセスの設計ならびに運転にきわめて重要である。ジルコニウムの分配実験例は数多く報告されているが,抽出器内濃度プロフィルを詳細にシミュレーションした例はない。本報告では,段効率について従来から採用されてきた抽出方向についての段効率に代えて逆抽出方向についての段効率を採用し,ジルコニウムの抽出器内の分配特性を検討した。その結果,ジルコニウムの逆抽出方向についての段効率を60%と仮定することによって,ジルコニウムの抽出器内での分配のシミュレーションが精度よく出来ることを確認できた。さらに,トリブチルりん酸(TBP)の分解生成物であるジブチルりん酸(HDBP)がプロセス中に存在する場合には,ジルコニウムがTBPとHDBPにそれぞれ分配すると仮定し,ジルコニウムの抽出器内での分配のシミュレーションを精度よく行うことができた。その結果,高燃焼度の燃料を再処理する場合のジルコニウムの抽出器内での分配および除染係数をより精度よくシミュレーションできるようになった。
内藤 奎爾; 鈴木 敏夫
J.Phys.Chem., 66(6), p.983 - 988, 1962/00
抄録なし